今回も結論からお伝えしますが、うつ病が理解されないと悩む必要はありません。ハッキリ言って受け入れてもらえるほうが珍しいと言えるでしょう。
人によっては大切な家族がうつ病になったからと、一生懸命うつ病について学び理解を深めようとする人もいます。そのような家族を持てたらとても幸せなことですね。
しかし多くの場合、家族・親・会社に理解をしてもらえないことのほうが多いのではないでしょうか。今回はうつ病を理解されない場合にどうしたらいいのか私の体験を交えてお話ししていきます。
うつ病を理解されないからといって悩まない
冒頭でもお伝えしましたが、うつ病を理解されないからと必要以上に悩む必要はありません。
これは私の持論ですが、うつ病を理解されない・受け入れてもらえないと悩むこと自体がストレスになるので、理解されないと判断したらそのときから理解してもらおうと努力するのを止めてしまいましょう。
うつ病になった原因が何にせよその時点で心理的疲労は蓄積されているので、その状態でさらに新たなストレスを抱えるなんて論外なんです。まずは可能な限り体を休めること。
うつ病に対して理解を得ることができないことによって休めないのならば、その人とは距離を置くことをオススメします。もし同居している家族の場合はなるべく一人でいる時間をとるようにしましょう。相手の認識を変えることが大変なのは言うまでもありません。
自分の対応を変えることによって、自己防衛をするようにしましょう。
うつ病を親に理解されない
生みの親に自分の病気のことを理解してもらえないのは辛いことです。だからといっていつまでも病気を理解しない、受け入れようとしない親に対して説得を続けるのは大変な労力。
ハッキリ言って親に理解されないから頑張って理解してもらおうとうつ病で苦しむあなたが努力をするのは間違っています。繰り返しになりますが、あなたが最優先でしなければならないのは休養しうつ病を寛解することです。
それでも最初から諦めるのではなく、うつ病を理解してもらいたいなら病院に同行してもらうのがひとつの手段と言えるでしょう。医師からしっかりと説明を受ければ理解し、病気として受け入れてくれる親もいると思います。
ただし、あまりムキになって親と口論して疲れるのはよくありません。お互いに適切な距離感を見つけるようにするといいでしょう。
ちなみに私の両親はすでに私が結婚して家を出ていたこともあったため、ほぼ無関心でした。
うつ病を家族に理解されない
うつ病を家族に理解されないのはつらいですよね。親と同居していれば親が一番身近な家族となりますが、結婚していれば配偶者がいますし、子どもがいる可能性もあります。
うつ病になると脳の活動が健康時より悪くなります。このときに人生を左右するような重要な判断はしないようにしてください。例えば、離婚や会社をやめるといった決断は避けるようにしましょう。
子どもへの対応はその子の年齢によって変わってきます。病気だということを分かってもらえるようにしたいと思いますが、あまり心配されたくはないとあなたは思うのではないでしょうか。体調が良いときに事前知識や先入観のない子どもに対しては、じっくりと丁寧な説明ができるとより良いでしょう。
ある程度物事の判断ができる年齢の子どもなら、治療への協力をお願いしましょう。協力と言っても家事の手伝いなどを頼むのではなく、体調が優れないときもあるので分かって欲しいぐらいにとどめておくとトラブルにならないと思います。特に天気の悪い日は気圧変化が大きいため、うつ病患者は具合が悪くなり易い傾向にあります。このようなことを伝えておくだけでも療養に集中できるでしょう。
またうつ病患者を抱える家族の相談を受けているサービスもあります。他にも地域でうつ病患者を抱える家族の会などがあるかもしれないので、探してみると良いでしょう。
参照:encourage~支える人にも、支えがいるうつ病患者の家族向けコミュニティサイト「エンカレッジ」~
私がうつ病を患っていた当時、嫁の家族と嫁の実家で生活をしていました。このときは嫁の家系には精神疾患にかかっている人が多かったため、すんなりと理解を得られました。私のようなケースはかなり珍しいと思います。
うつ病を会社に理解されない
うつ病を会社に理解されないと悩む人も多くいますが、この問題に頭を抱えるのは無駄だと私は考えます。自分が在籍する会社の人事部や総務部が頼りなければ、自分でなんとかしようと切り替えていきましょう。
例えば傷病手当金については自分で保険組合へ連絡をとってみるのもいいでしょう。もっともこれは本当に人事・総務部が信用できない場合の最終手段です。あまり自分で動くとうつ病からの回復に時間がかかってしまいます。また在籍している会社が頼りにならないからといってすぐに退職してしまうのもオススメしません。
うつ病から回復したあとを考えると、うつ病を経験していきなり転職するのはかなり難しいからです。
うつ病という病名は世間に広く知れ渡るようになってきましたが、それでも病歴のある人を積極的に採用しようとする企業は少ないでしょう。このような状況なので、可能なら今在籍するの会社に復帰し、それでもうつ病が再発しそうだったり、どうしても自分に合わないと考えたりするようになってから転職を考えたほうが無難だと思います。
また復職のときは以前と同じ部署に配属されては再発の恐れがあるので、会社側としっかり相談をする必要があります。この相談の段階でどうにも折り合いがつかないと感じたら転職を考えてもいいでしょう。なるべく自分の希望を伝えて病気に配慮された配属にしてもらいましょう。
復職できるほどに回復しているのであれば、正しい判断がきっとできるはずです。この状態になってから転職を検討するようにすると良いと思います。
まとめ:うつ病を理解されないと悲観する必要はない
うつ病を理解されないからと、悩む必要はありません。あなたが今、うつ病を抱えているならばまずは回復することを最優先に考えましょう。
他人を変えるのは非常に大変なことです。したがって、あなたが「うつ病を理解してもらわないと」などと必死に悩む意味はほとんどありません。最低限、今は体調が悪いので配慮してほしいことだけを伝えておけばいいでしょう。
うつ病の病名は世間に広く知られるようになってきましたが、その症状についてはまだ知られていません。あなたもうつ病と診断されるまでは、うつ病について深く知ろうともしなかったのではないでしょうか。多くの人も同じで自分事にならなければ知ろうと思いません。自分か近しい人が発症しなければ、うつ病について考えなかったでしょう。
そのため、うつ病を他の人に理解してもらおうと必死に悩む必要はないのです。まずは、うつ病から回復するのが一番。あなたの一日も早い回復を祈っています。