ヘルプマークについてNHKの番組「あさイチ」で特集されていたので、番組内容をまとめてみました。ヘルプマークを見かけるがどういった人が着けているのか分からない、自分が着けても良いのだろうかと悩んでいる人に向けた番組だったと言えるでしょう。本放送日は2018年07月11日(水) 8:15~9:00でした。
ヘルプマークは見た目では分かりにくい病気や障害を抱えた人が着けるピクトグラム(視覚記号)の一種です。持病の人だけでなく、妊娠初期の人も対象となります。
今回の特集ではどんな病気を持った人がヘルプマークを付けているかが伝えられました。番組を見損ねた方は、ぜひこの記事でどんな人がヘルプマークを付けているのか確認してみてください。
自閉症スペクトラム症による聴覚過敏
NHKの特集では、自閉症スペクトラム障害の女性が出ていました。聴覚過敏に悩まされており、ノイズキャンセラーイヤホンをつけている人。
この病気はエアコンの音など小さな音まで耳に入ってきて、必要な情報が聴こえてこないため常に右耳にイヤホンを着けています。
この女性が大学の学生課で手続きの際にイヤホンをしたままで行った際にイヤホンで音楽を聴いていると勘違いされて「イヤホンを外しなさい!」と学生課の受付担当者から注意をを受け困ったことがあったそうです。
そのときは幸いにも相手にヘルプマークを見せて、事情を説明して理解を得られたとのことでした。
先天性難聴の場合
先天性右耳が難聴で、右耳が聞こえない人がスタジオへゲストとして参加し話をされていました。
この人の場合は、左側から声をかけて欲しいと話をされていました。社会人になったばかりの女性で会社内では理解をしてもらえているが、商談相手には分かってもらえず苦労したとのこと。
「ヘルプマークを着けていれば、相手に気付いてもらえるかも。」 といった内容でお話しを締めていました。
常時ヘルプマークを着けていないといけない人もいる
次に紹介されたのは、常にヘルプマークを着けている男性が映像で紹介されました。脳出血を過去に起こしたことがあり、救急搬送されて10日間意識不明の状態になった経験があるそうです。
彼は「高血圧で腎硬化症を患っており、週2回の人工透析を受けています。」と話していました。この透析が原因で1年で30kgも体重が落ちてしまったそうです。この人はヘルプマークと合わせてヘルプカードも常に携帯しています。
ヘルプカードには、その人が手助けしてほしいことや、応急処置のときに気をつけてほしいことについて記載をします。この男性の場合は、人工透析が必要なことや通院先情報が書いてありました。
また「シャント肢(左腕のこと)には血圧計を巻かないでください」と書いてあります。
これは急に倒れて意識不明の状態で、救急車に載せられたときのために書いてあるそうです。この男性は人口透析のために左腕の動脈と静脈をつないでいます。そのため左腕に血圧計を巻かれてしまうと、血流が止まってしまうのです。最悪の場合、命を落とす可能性があります。
この男性の場合は、街中で突然倒れたときにヘルプカードを見てもらうため、ヘルプマークを常に携帯しているのです。
災害時にこそ必要なヘルプマーク
次の映像で紹介されたのは、熊本自身で被災した女性の意見。その人は聴覚過敏で、避難所での生活音にかなり苦しまれた経験があります。
聴覚過敏の人は暗く静かなところにしばらく居れば、落ち着きを取り戻せるそうです。
「当時ヘルプマークとヘルプカードを持っていれば誰かカードを見つけてくれて、落ち着ける場所を案内してもらえたかもしれない」とお話されていました。
みんな大変なときだからこそ、自分からSOSを発することができない苦しさを訴えていました。
日本特有「恥の文化」
子どもがヘルプマークを着けていると弱みをみせることになるため、いじめを受ける可能性を危惧する視聴者の声を番組内で取り上げていました。またヘルプマークを着けていても、誰かに助けられたことは一度しかなかったので着けたくないという子どもの意見も合わせて紹介されていました。
反対にヘルプマークを着けていたおかげで助けてもらえて良かったとの声もありました。まだ知名度が足りないため、世間の理解を得るのは先になりそうです。
ヘルプマークが広く認知されることで効果を発揮する
番組の街頭アンケートではヘルプマークを知っている人は半数以下との結果でした。まだ全国で配布されているモノでもないため、認知度は低くて当然と言えるでしょう。そしてヘルプマークを手に入れるのが難しいのも普及が遅れている原因のひとつだと思います。
都内であれば東京メトロ各駅などでもらえますが、地方の場合は地方自治体役所の福祉課に行かないと手に入りません。もし役所に行くのが難しい人は普段利用しているインターネットショップで購入してはいかがでしょうか。
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また優先駐車スペースに停めても大丈夫なように車両マグネットシールも販売されています。
障害は恥ずべきことではありません。どうしても着けるのに抵抗がある場合は、体調が悪いときだけ着けるのもいいでしょう。またヘルプマークを見かけて助けが必要そうな人がいたら声掛けをしてあげましょう。
助けるために声を掛けて「だいじょうぶです。」と言われても気を悪くしないことが大切です。それはその人によって必要とする手助けが不要なときもあるからです。常に配慮が必要な人もいれば、体調が悪化したときだけヘルプマークのことに気づいて欲しい人もいます。これは番組内で紹介されていた聴覚過敏の人や人工透析を受けている人がそうだと言えるでしょう。
ヘルプマークの認知度が上がって多くの人が住みやすい世の中になるよ良いですね。